経済産業省は2026年10月16日、木造の共同住宅以外の共同住宅に使うサッシを建材トップランナー制度に加える省令・告示の改正案を公表し、11月16日まで意見を募集しています。 経産省のワーキンググループのとりまとめは、これまでサッシの建材トップランナー制度の対象は戸建住宅や低層共同住宅などに使う窓だけで、非木造の中高層住宅や大中規模建築物の窓は対象外だったと説明しています。 改正案では、新しい区分の基準熱損失防止性能を2.97W/㎡Kとし、意見募集要領は目標年度を2030年度と説明しています。 規制を受けるのはサッシのメーカーで、案には省エネ計算や省エネ適判の手順を変える規定はありません。ただ、マンションの窓の「標準」がどこへ動くのかを示す数字でもあります。 意見募集の添付資料4点と建築研究所の技術情報を読み、数字の出どころと実務への影響を整理しました。
① 改正案は2本。省エネ法施行規則(対象から外すサッシの範囲)と、サッシの判断の基準の告示(基準値と性能の数え方)。e-Govの案件番号は620340009、締切は2026年11月16日。 ② 新しい区分は「木造の共同住宅以外の共同住宅」。開閉形式で分けず、基準熱損失防止性能は2.97。一戸建て・木造共同住宅の区分(上げ下げ2.30・引違い2.16・FIX 1.87など)の数値は変わらない。 ③ 木造以外の共同住宅用サッシの性能は、測定ではなくサッシの材質とガラスの種類で決まる6つの値(樹脂2.16〜単板ガラスのアルミ6.26)で数える。この6つの値は、建築研究所の技術情報にある窓の熱貫流率の参考式にワーキンググループの「みなしガラス」のUg値を入れ、小数第2位に丸めた値と一致する(当社の検算)。 ④ 2.97は、ZEH-M水準のモデル建物から逆算した窓の性能に、二重窓の外窓や超高層部分に残るアルミサッシの割合を加味して出した全国の加重平均。二重窓を内窓込みで数えると、全出荷の加重平均は2.47相当になる(ワーキンググループの試算)。 ⑤ 木造以外の共同住宅用では、外壁に溶接しモルタルで埋めて取り付けるサッシは除外されず、防火設備のサッシにも除外の規定がない(一戸建て・木造共同住宅用では、どちらも除外)。ほかの除外条件に当たらなければ対象になる。 ⑥ 2027年度を目途に達成状況を確認し、新たな目標基準値を検討する。非住宅用のサッシと大型建築物用の複層ガラスは、出荷データの整備を待って後日。
2026年10月16日、e-Govのパブリック・コメントに次の案件が掲載されました。所管は経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー課(建材トップランナー制度担当)です。
表1|意見募集の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 案件番号 | 620340009 |
| 対象の命令 | ① エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律施行規則の一部を改正する省令 ② サッシの性能の向上に関する熱損失防止建築材料製造事業者等の判断の基準等(平成26年経済産業省告示第234号)の一部を改正する告示 |
| 根拠法令 | 省エネ法 第154条第1項・第156条、同法施行令 第21条第2号 |
| 意見募集期間 | 2026年10月16日(金)〜11月16日(月)。e-Govの案件ページでは受付締切日時を17時0分、意見募集要領では「必着」としている |
| 施行日 | 省令案・告示案とも「令和 年 月 日」で空欄 |
| 添付資料 | 意見募集要領(3頁)、新旧対照表(省令案・7頁)、新旧対照表(告示案・9頁)、建築材料等判断基準ワーキンググループ「サッシ及びガラスに関するとりまとめ」(2025年3月31日・57頁) |
出典:e-Gov パブリック・コメント 案件番号620340009 の案件ページと添付資料。
意見募集要領は、背景として「住宅においては、冬場に出ていく熱の約6割、夏場に入ってくる熱の約7割は窓やドアといった開口部を経由して」いると書いたうえで、2025年3月に、木造の共同住宅以外の共同住宅に用いられるサッシについて、2030年度を目標年度とする新たな目標基準値を建築材料等判断基準ワーキンググループで策定したこと、今回の改正はその内容を省令・告示に反映するものであることを説明しています。つまり、数字そのものは1年半前に決まっていて、今回はそれを法令にする手続きです。
建材トップランナー制度は、省エネ法に基づいて、断熱材・サッシ・複層ガラスなどの建材の製造事業者等に、目標年度までに達成すべき性能の基準(判断の基準)を示す仕組みです。規制を受けるのは建物の設計者や建築主ではなく、建材をつくる・輸入する事業者です。
ワーキンググループのとりまとめによると、今回の共同住宅用サッシの対象事業者は、これまでのサッシのトップランナー制度と同じく生産量又は輸入量のシェアが概ね1%以上の製造事業者等です。また、後で見るように2.97という値は、窓の種類ごとの出荷割合で加重平均した値として算出されています。個々の窓の上限値としてではなく、メーカーが出荷する窓全体の水準として決められた数字です(算出方法からの当社の読み方です)。
あわせて、カタログなどへの表示も求められます。とりまとめの表示事項は「品名又は形名」「熱損失防止性能の値」「製造事業者等の氏名又は名称」の3つで、熱貫流率は有効数字2桁以上で、性能の表示があるカタログやサッシを選ぶときにメーカーが示す資料の見やすい箇所に表示するとしています。
サッシの建材トップランナー制度について、とりまとめは「現時点では木造の戸建住宅や低層共同住宅、小規模建築物向けに使用されるもののみが対象」であり、非木造の中高層住宅や大中規模建築物の窓は対象外だったと書いています。今回の改正は、その空白のうち共同住宅の分を先に埋めるものです。
告示案では、サッシの区分の表に「建築物の用途」の列が加わり、これまでの区分が「一戸建ての住宅及び木造の共同住宅」の欄にまとめられ、その下に「木造の共同住宅以外の共同住宅」の区分が新設されます。木造の共同住宅とは、主要構造部(建築基準法第2条第5号)が木材で造られたものをいいます。
表2|告示案のサッシの区分と基準熱損失防止性能(単位:W/㎡K)
| 建築物の用途 | 開閉形式 | 区分名 | 基準値 |
|---|---|---|---|
| 一戸建ての住宅及び木造の共同住宅 | 片上げ下げ窓・両上げ下げ窓に用いられるサッシ | 上げ下げ | 2.30 |
| 片引き窓・引違い窓・引分け窓・両袖片引き窓に用いられるサッシ | 引違い | 2.16 | |
| 固定窓に用いられるサッシ | FIX | 1.87 | |
| すべり出し窓に用いられるサッシ | すべり出し | 2.04 | |
| たてすべり出し窓に用いられるサッシ | たてすべり出し | 2.06 | |
| 木造の共同住宅以外の共同住宅(新設) | (区分しない) | — | 2.97 |
出典:新旧対照表(告示案)。一戸建て・木造共同住宅の5区分の値は改正前と同じです。告示案では基準値の欄の名称は「基準熱損失防止性能」です。単位は、省令の別表第四が熱損失防止性能を「熱貫流率をワット毎平方メートル毎ケルビンで表した数値」としていることによります(省令案では、この別表の「熱貫通率」という表記を「熱貫流率」に改めています)。
読み落としやすいのは、条文の書き分けが階数ではなく構造だという点です。ワーキンググループの資料は「中高層共同住宅」と呼んでいますが、省令案・告示案の文言は「木造の共同住宅以外の共同住宅」です。文言どおりに読めば、低層でもRC造・S造の共同住宅はこちらの区分に、一戸建ての住宅は構造にかかわらず従来の区分に入ると考えられます(当社の読み方です)。
もう一つは、開閉形式で区分しないことです。理由は次の節で説明する性能の数え方にあります。以下、この記事で「共同住宅用サッシ」というときは、木造の共同住宅以外の共同住宅に用いるサッシを指します。
戸建住宅用のサッシは、JIS A 4710(2015)の測定やJIS A 2102の計算で求めた熱貫流率で性能を数えます。これに対して、告示案の新しい規定(3(3))は、木造の共同住宅以外の共同住宅に用いるサッシの性能を「窓の面積及び開閉形式に関わらず」、サッシとガラスの区分に応じた表の熱貫流率で数えるとしています。
ワーキンググループのとりまとめは、その理由を、共同住宅を含む大型の建物の窓は主に注文生産で、建物ごとにサイズやサッシ・ガラスの組合せが多岐にわたり、メーカーが性能値を個別に計算するのが難しいため、と説明しています。サッシ単体の性能は把握できないので、窓全体の熱貫流率(Uw)を指標にし、材質ごとに標準的なガラス(みなしガラス)を決めて、そのガラスを入れたときのUwでサッシの性能を数えます。
表3|告示案の熱貫流率と、その出どころ(みなしガラス)
| サッシの種類 | ガラスの種類 | 熱貫流率 | みなしガラス(Ug値) | 建研の参考式による検算 |
|---|---|---|---|---|
| 木製・樹脂製 | 複層 | 2.16 | 二層 Low-E 中空層10mm ガス入り(1.70) | 0.659×1.70+1.04=2.1603≒2.16 |
| 木又は樹脂とアルミの複合材料製 | 複層・中空層6mm超 | 2.51 | 二層 Low-E 中空層14mm 乾燥空気(1.70) | 0.800×1.70+1.15=2.51 |
| 複層・中空層6mm以下 | 3.23 | 二層 Low-E 中空層6mm 乾燥空気(2.60) | 0.800×2.60+1.15=3.23 | |
| アルミ製 | 複層・中空層6mm超 | 3.95 | 二層 一般 中空層10mm 乾燥空気(3.00) | 0.812×3.00+1.51=3.946≒3.95 |
| 複層・中空層6mm以下 | 4.19 | 二層 一般 中空層6mm 乾燥空気(3.30) | 0.812×3.30+1.51=4.1896≒4.19 | |
| 単板 | 6.26 | 単板ガラス(6.00) | 0.812×6.00+1.39=6.262≒6.26 |
出典:「熱貫流率」の列は新旧対照表(告示案)3(3)の表(単位W/㎡K)。「みなしガラス」の列はワーキンググループのとりまとめ 表2.1(みなしガラスの仕様は一般社団法人環境共創イニシアチブ「集合住宅におけるZEHの設計ガイドライン」等、Ug値は建築研究所「平成28年 省エネルギー基準(平成28年1月公布)関係技術資料」による、と同表の注にあります)。「検算」の列は、建築研究所 技術情報(住宅)第三章第三節 Ver.27 付録B 表3「枠の種類とガラスの仕様に応じた窓の熱貫流率の計算式(参考)」にUg値を入れた当社の計算です。とりまとめは算出方法を建築研究所の技術情報で公表されている「窓等の大部分がガラスで構成される開口部の簡易的評価」としています。当社はこれが付録Bと同じものかを文書上は確認していません。確認できたのは、上のUg値を付録Bの参考式に入れて小数第2位に丸めると、告示案の6つの値と一致するということです。なお、みなしガラスの欄は原典では画像の表で、当社が目視で転記しました(モデル建物A・Bの2仕様は同とりまとめ 表2.2の本文でも確認できます)。
この表から分かるのは、共同住宅用サッシでは1本ごとの性能値が「サッシの材質とガラスの種類」だけで決まり、窓の面積や開閉形式は数え方に入らないということです。同じアルミ樹脂複合サッシでも、中空層が6mm以下のガラス用は3.23、6mm超のガラス用は2.51で、アルミサッシは3.95〜6.26です。2.97という基準値は、ワーキンググループがモデル建物から求めた地域別の窓の性能値に、二重窓の外窓用や超高層部分用として残るアルミサッシ(6.26・3.95)の出荷割合を加味し、地域別の着工割合で加重平均して算出したものです(第5節)。ただし、メーカーごとの実績をどう平均して判断するかは、新旧対照表では判断の基準の本文が「(略)」とされていて、当社は確認できていません。
検算に使った参考式は、建築研究所の技術情報(住宅)第三章第三節の付録B「窓又はドアの熱貫流率」にあるものです。付録Bは、JIS A 2102-1の計算式に標準的な寸法・枠の熱貫流率を入れて展開すると表3の式が得られ、係数の端数を切り上げているため窓の熱貫流率はやや大きい値になる、と説明しています。住宅の省エネ計算の技術情報にある式で、告示案の値を再現できることになります(当社の検算)。
ワーキンググループは、2030年の住宅の性能から逆算するバックキャスティングで目標を決めています。手順は次の3段階です。
1. モデル建物の窓を決める。環境共創イニシアチブ(SII)の「集合住宅におけるZEHの設計ガイドライン」のケーススタディを使い、『ZEH-M』に求められる外皮性能をもつモデル建物A(アルミ樹脂複合サッシ+二層Low-E中空層14mm 乾燥空気、Uw 2.51)と、さらに外皮性能を強化したモデル建物B(樹脂サッシ+二層Low-E中空層10mm ガス入り、Uw 2.16)を設定します。どちらも6地域の仕様で、1・2地域は事業者ヒアリング、3〜5・7地域は換算係数で地域ごとのUwを求め、地域別の着工割合とA・Bの着工割合(A 91.4%・B 8.6%)で加重平均すると2.44になります。
2. 残るアルミサッシを加味する。とりまとめは「基本的にアルミサッシからアルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシへの移行を促すこととしたい」としつつ、二重窓の外窓用や超高層部分用として単板・複層ガラス用のアルミサッシが残る割合を、事業者ヒアリングをもとに加えています。
3. 全国で加重平均する。地域ごとのUwを着工割合で平均した値が2.97です。
表4|2.97の算出(ワーキンググループのとりまとめ 表2.7)
| 地域の区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 着工割合 | 0.2% | 4.0% | 0.9% | 2.1% | 6.4% | 78.9% | 7.4% | — |
| 単板ガラス用アルミ(Uw 6.26)の出荷割合 | 80.0% | 80.0% | 65.2% | 57.2% | 8.4% | 6.0% | 4.4% | 10.8% |
| 複層ガラス用アルミ(Uw 3.95)の出荷割合 | 20.0% | 20.0% | 19.5% | 17.5% | 5.3% | 4.7% | 4.3% | 5.8% |
| アルミ樹脂複合・樹脂の出荷割合 | 0.0% | 0.0% | 15.3% | 25.3% | 86.3% | 89.3% | 91.3% | 83.5% |
| アルミ樹脂複合・樹脂のUw | 1.66 | 1.66 | 2.07 | 2.48 | 2.48 | 2.48 | 2.48 | 2.44 |
| Uw(W/㎡K) | 5.80 | 5.80 | 5.17 | 4.90 | 2.88 | 2.78 | 2.71 | 2.97 |
出典:建築材料等判断基準ワーキンググループ「サッシ及びガラスに関するとりまとめ」(2025年3月31日)表2.7。着工割合は戸数ベースで、国土交通省「2022年度 住宅着工統計」と総務省「2020年度国勢調査」に基づき作成されたものです。表中の値はとりまとめのとおりで、当社は丸めていません。
1〜4地域でUwが大きいのは、寒冷地ほど二重窓の外窓としてアルミサッシを使う割合が高い想定だからです(1・2地域は単板ガラス用アルミが80%)。外窓だけを見ると性能が低く見えますが、とりまとめは内窓を含めた二重窓全体でも試算しています。
表5|二重窓を内窓込みで評価した場合の「実際に着けられる窓」(全国・全出荷の加重平均)
| 窓 | Uw(W/㎡K) | 出荷割合 |
|---|---|---|
| 単板ガラス用アルミ(二重窓用) | 1.71 | 9.6% |
| 単板ガラス用アルミ(超高層用) | 6.26 | 1.1% |
| 複層ガラス用アルミ(二重窓用) | 1.48 | 2.4% |
| 複層ガラス用アルミ(超高層用) | 3.95 | 3.4% |
| アルミ樹脂複合・樹脂 | 2.44 | 83.5% |
| 合計(加重平均値) | 2.47 | — |
出典:同とりまとめ 表2.8の加重平均の列。二重窓全体の値は、内窓を樹脂製・Low-E複層ガラス・中空層A11以上A14未満として、YKK AP株式会社作成「二重窓の熱貫流率」から引用したものと注記されています。
とりまとめはこの結果から、目標基準値2.97を達成した場合、中高層共同住宅において実際に着けられる窓の性能値は2.47W/㎡Kを満たすことになるとしています。これは、二重窓用・超高層用のアルミサッシとアルミ樹脂複合・樹脂サッシを合わせた全国・全出荷の加重平均で、二重窓だけの値(1.71・1.48)とは別のものです。また、個々の住戸の窓が2.47になるという意味ではありません。
省令案は、施行規則第94条第2項(特定熱損失防止建築材料の適用除外)を、一戸建ての住宅及び木造の共同住宅用(第1号)と木造の共同住宅以外の共同住宅用(第2号・新設)に書き分けます。並べると、取付け方と防火設備の扱いが逆になっていることが分かります。
表6|制度の対象から外れるサッシ(省令案 第94条第2項)
| 項目 | 一戸建ての住宅・木造の共同住宅(第1号) | 木造の共同住宅以外の共同住宅(第2号・新設) |
|---|---|---|
| 開閉形式 | 上げ下げ・引き系・固定・すべり出し・たてすべり出し(出窓を除く)以外は除外 | 同じ |
| 雨戸・シャッター・格子と一体の構造 | 除外 | 除外 |
| 外壁に溶接し、空洞部をモルタルで埋めて取り付ける構造 | この構造のものを除外 | この構造以外のものを除外(=この構造のものは、この項目では除外されない) |
| 防水紙を使って防水処理を行う構造 | この構造以外のものを除外 | この構造のものを除外 |
| 防火設備(建築基準法第2条第9号の2ロ) | 除外 | 除外の規定なし(=この項目では除外されない) |
| 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律 第4条の工事で施設されたもの | 除外(新設) | 除外 |
出典:新旧対照表(省令案)。表は当社の要約で、条文の正確な文言は原典をご確認ください。どれか1つの項目に当たれば除外されるので、「この項目では除外されない」サッシも、ほかの項目に当たれば対象外です。第1号の「防衛施設周辺…」は、今回の改正で第1号にも新たに加わる項目です。
ワーキンググループのとりまとめは、防耐火用サッシは大型の建物では一般的に使われるため対象に含めるとし、シャッター付・雨戸付・面格子付のサッシは戸建住宅用と同じ理由(用途が特殊、測定方法が確立していない)で除外するとしています。また、フロントサッシ(製品のサイズや性能値をメーカーが把握できない)と、防衛省の指定規格の防音サッシ(メーカーが性能の改善を実施できない)も対象から除外するとしています。
躯体に溶接してモルタルを詰める取付けのサッシを第2号では除外せず、防水紙で防水処理する構造のものを除外する、という書き分けは、RC造・S造の共同住宅の一般的な納まりに合わせたものと考えられます(当社の読み方です)。
1. 計算の手順を変える規定はない。今回の案はメーカーの判断の基準を定めるもので、案の中に、建築物省エネ法の省エネ基準や外皮計算の方法、省エネ適判・住宅性能評価・BELSの手続きを改める規定はありません。
2. マンションの窓の「標準」が動く方向が分かる。基準の考え方は、アルミサッシからアルミ樹脂複合サッシ・樹脂サッシへの移行を促すことです。目標年度の2030年度に向けて、メーカーの出荷の中心はアルミ樹脂複合・樹脂に寄っていくと考えられます。一方で、超高層部分用や二重窓の外窓用のアルミサッシは一定の割合で残る前提です。とりまとめの「おわりに」は、二重窓の外窓として使用されない単板ガラスの窓が市場から排除されることを目指すとしています。
3. 窓の性能をカタログで比べやすくなる。対象事業者には、熱貫流率を有効数字2桁以上でカタログ等に表示することが求められます(表示事項はとりまとめによります)。共同住宅の窓の仕様を決めるとき、メーカーをまたいで性能を比べやすくなると考えられます。
4. 日射熱取得率は設計者の側の課題とされた。とりまとめは、日射熱取得・遮蔽性能を基準の指標にせず熱貫流率だけを指標にしたうえで、設計者は適切な日射熱取得率のガラスの選択に努めることをユーザーの取組として挙げています。特に非住宅で窓の面積が大きい建物は冷房のエネルギーが多いので、その点に十分留意してガラスを選ぶよう求めています。外皮計算では冷房期・暖房期の平均日射熱取得率(ηAC・ηAH)に直接効く部分なので、熱貫流率だけでガラスを選ばないことが大切です。
5. 基準はまた上がる可能性がある。とりまとめは、メーカーの建物用途別出荷データの整備が2026年度末を目途に完了する見込みであることから、2027年度を目途に達成状況を確認し、住宅への規制の強化の状況も勘案しながら新たな目標基準値を検討するとしています。現行の目標年度である2030年度より先の窓の目標も、2027年度を目途に検討を始めるとしています。
共同住宅の外皮で窓がどれだけ効くかは「共同住宅の外皮|仕様基準と性能基準の比較」で、ZEH-M水準の一次エネルギーの組み立ては「共同住宅の一次エネルギー消費量」で整理しています。
今回の案には、それらを変える規定はありません。今回の案は、省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)に基づいて、サッシの製造事業者等が目指すべき性能の基準を定めるものです。案の中に、建築物省エネ法の省エネ基準や、外皮計算で窓の熱貫流率を求める方法、省エネ適判の手続きを改める規定はありません。
今回の省令案・告示案に、個々の製品の使用を禁じる規定はありません。2.97という値は、窓の種類ごとの出荷割合で加重平均した値として算出されています。その算出にあたってワーキンググループのとりまとめは、二重窓の外窓用や超高層部分用として、単板ガラス用・複層ガラス用のアルミサッシが一定の割合で残ることを織り込んでいます。
公表された省令案・告示案では、施行日は「令和 年 月 日」と空欄で、示されていません。意見募集要領は、木造の共同住宅以外の共同住宅に用いるサッシについて、2030年度を目標年度とする目標基準値を2025年3月に策定したと説明しています。
今回の案で新たに基準値を設ける対象は、木造の共同住宅以外の共同住宅に用いるサッシだけです。ワーキンググループのとりまとめは、非住宅用のサッシについて、製造事業者の建物用途別出荷データの整備(2026年度末を目途に完了見込み)を待って目標基準値を設定するとし、先行して基準を設定すべき建物用途がないかも引き続き検討するとしています。大型建築物用の複層ガラスも、目標基準値は後日の設定です。
ワーキンググループのとりまとめでは、内窓は外窓の付属設備と位置付けて対象外とし、外窓の性能だけで評価しています。そのうえで、二重窓を内窓込みで評価した場合も試算しています。内窓を樹脂製・Low-E複層ガラスとした想定で、二重窓用・超高層用のアルミサッシとアルミ樹脂複合・樹脂サッシを合わせた全国・全出荷の加重平均は2.47W/㎡Kで、外窓の基準2.97を達成すれば、中高層共同住宅に実際に取り付けられる窓の性能値は2.47W/㎡Kを満たすことになるとしています。
出せます。締切は2026年11月16日で、e-Govの案件ページでは受付締切日時を17時0分としています。提出方法はe-Govの意見提出フォーム、郵送、電子メール(意見提出用紙を添付)の3通りで、電話では受け付けていません。提出先は経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー課 建材トップランナー制度担当です。
妻側住戸と中住戸で必要な断熱が変わる理由。
住戸と共用部の計算の組み立て。
指定は年2,000戸から。住宅を供給する事業者側のトップランナー制度。
メーカーが化石エネルギー消費量の目標を定める日本の新制度。
窓のU値・BEIの基準年・気候区分・義務化範囲。
住宅・非住宅の省エネ計算から適合判定の申請まで。
Sources — 出典・参考資料
e-Gov パブリック・コメント「「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律施行規則(案)」、「サッシの性能の向上に関する熱損失防止建築材料製造事業者等の判断の基準等(案)」の改正に対する意見募集について」(案件番号620340009・2026年10月16日公示)
同 添付資料「意見募集要領」「新旧対照表(省令案)」「新旧対照表(告示案)」(表1・表2・表3の熱貫流率・表6はこれらによります)
同 添付資料 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 建築材料等判断基準ワーキンググループ「サッシ及びガラスに関するとりまとめ」(2025年3月31日・経済産業省。表3のみなしガラス・表4・表5と第2節・第5節〜第7節のとりまとめの記述はこれによります)
国立研究開発法人建築研究所「技術情報(住宅)第三章 暖冷房負荷と外皮性能 第三節 熱貫流率及び線熱貫流率」Ver.27(2026.10)付録B 表3(窓の熱貫流率の計算式(参考))
※表3の「検算」の列と、第3節・第6節・第7節の読み取りは当社の整理です。