東京都の建築物環境計画書制度には、新築の建物の駐車場にEV(電気自動車)の充電設備と配管等の整備を求める電気自動車充電設備整備基準があります。都内の共同住宅やオフィスビルに多い機械式立体駐車場は、この基準では技術上・安全上の理由で必要な区画数を計算する対象から外されています。 ところが2026年4月1日から、大臣認定と同等の安全性をもつ機械式に充電設備を付ければ、その区画を充電設備の区画として数えられるようになりました。基準をかけるかどうかと必要な区画数は、これまでどおり平置きの区画で決まります。つまり機械式は「数の計算には入らないが、付ければ数えられる」扱いです。 一方、英国(イングランド)では、建物内や地下の駐車場(屋根付きの駐車場)を充電器の義務から外してきた例外を見直す意見募集が、2026年10月21日に始まりました。都の資料とガイドライン、英国の原文を読んで、両者の扱いを整理しました。
① 東京都の整備基準は、平置きの専用駐車区画が5以上なら20%(上限10区画)に充電設備・50%(上限25区画)に配管等、共用駐車区画が10以上なら1区画以上に充電設備・20%(上限10区画)に配管等。割合で出した数は端数切り捨てで、配管等の数は充電設備の区画を含む。
② 機械式立体駐車施設の区画は整備対象区画から除外(告示第3-1)。パレットごと車が動くとケーブルの接続を保てないこと、充電ガンがパレットからはみ出すおそれがあることが理由。
③ 2026年4月1日から、駐車場法施行令第15条の大臣認定と同等の安全性をもつ機械式に充電設備を付ければ、充電設備の区画数に含められる。根拠資料に大臣認定番号(または安全機能の認証番号)を示す。
④ 変わらない点:基準をかけるかどうかと必要な区画数の計算は平置きの区画で行う。機械式は配管等の基準の対象外。
⑤ 方式によって付けやすさが違う。都のガイドラインは、エレベータ方式・二段・多段方式は充電できる製品が出ているが車の重量と寸法が課題、垂直循環方式は接続が難しい、と整理している。
⑥ 英国の建築規則Part Sは、屋根付き駐車場(地下・建物内の駐車場など)を充電器の義務から外し、用途や区画数に応じた配管等だけを求めている。2026年12月16日までの意見募集で、充電器も求めるかと、1区画あたり平均£3,600の接続費の上限の見直しを問うている。改正するかどうかは未定。
⑦ 線の引き方が違う。東京都は機械式かどうか、英国は屋根付き駐車場にあたるかどうか(おおむね屋根の有無)で分けている。東京都は付ければ数えられるようにし、英国は求めるかどうかを議論している。
東京都の建築物環境計画書制度は、原則として延床面積2,000㎡以上の建築物の新築等に計画書の提出を義務づけています(2,000㎡未満は任意。建築物エネルギー消費性能基準に適合させることが困難なものとして法令で定められた建築物や、仮設建築物は除かれます)。その中の電気自動車充電設備整備基準は、駐車区画の数に応じて、充電設備を実際に付ける区画(実装)と、将来付けるための配管等を整備する区画の数を決めています。
区画は、使い方で専用駐車区画(入居者が契約して使う区画、社用車・従業員の区画、月極で貸す区画、カーシェアの区画など)と共用駐車区画(来客用や時間貸しなど)に分けます。用途が決まっていない区画は、どちらかに仮に決めます。
表1|東京都の電気自動車充電設備整備基準(区画数の決まり方)
| 区画の種類 | 基準がかかる条件 | 充電設備(実装) | 配管等 |
|---|---|---|---|
| 専用駐車区画 | 平置きの区画が5以上 | 区画の20%以上(端数切り捨て・上限10区画) | 区画の50%以上(端数切り捨て・上限25区画)。充電設備の区画を含む数 |
| 共用駐車区画 | 平置きの区画が10以上 | 1区画以上(上限は設定しない) | 区画の20%以上(端数切り捨て・上限10区画)。充電設備の区画を含む数 |
| 除外する区画 | 告示第3-1:機械式立体駐車施設など、技術上・安全上の理由で充電設備の設置が困難な区画/告示第3-2:販売・展示・修理のための保管、車寄せ・荷さばきなど駐車時間が短い区画など | ||
出典:東京都 第7回 新築建築物制度改正等に係る技術検討会 資料1(2026年3月4日)p4、東京都環境局「電気自動車充電設備整備基準ガイドライン(第2版)」(令和8年4月)第2部第1章・第3部第2章・電気自動車充電設備整備計画書①の記入要領。頁は資料1のPDFの頁です。提出義務の規模は、東京都環境局「パブリックコメントの結果等を踏まえた最終案 第3 建築物環境計画書制度に関する改正事項」によります。
ガイドラインは、機械式立体駐車施設を除外している理由を次のように説明しています。機械式は、車を搬送用のパレットなどに載せて決まった場所まで動かします。EVの充電は車と充電設備をケーブルでつないだ状態で行うので、車が動くと接続を保てず、充電が難しくなります。また、車の充電口に充電ガン(充電ケーブルの先のコネクター)を差したままにすると、車種によってはパレットの寸法からはみ出し、装置の中の移動を妨げるおそれがあります。ガイドラインの図は、充電ガンの寸法を約200mm、ケーブルのたわみを含めて接続時に横に約250mm出ると示しています。
そのため、これらの技術的な課題が改善されるまでの当面の間、機械式の区画は整備の対象から外す、というのが基準の考え方です。
一方で、ガイドラインは、各メーカーがはみ出し防止センサーやケーブルフックなどの安全対策を講じていること、マンション・事務所ビル・複合施設で機械式への設置事例がここ数年増えていることを挙げています。これを踏まえ、都は2026年3月4日の第7回技術検討会で、機械式への充電設備の設置を促すための見直しをとりまとめ、2026年4月1日から適用しました。
表2|機械式立体駐車場の扱い:見直しの前と後
| 項目 | 2026年3月まで | 2026年4月1日から |
|---|---|---|
| 基準をかけるかの判定・必要な区画数 | 平置きの区画数で決める | 変更なし(平置きの区画数で決める) |
| 充電設備の整備 | 平置きの区画で整備する必要がある | 平置きの区画に加え、機械式立体駐車場での整備も可能(充電設備の区画数に含められる) |
| 配管等の整備 | 平置きの区画で整備する必要がある | 変更なし。機械式は配管等の基準の履行の対象外 |
| 対象になる機械式 | ― | 駐車場法施行令第15条に基づく国土交通大臣の認定と同等の安全性をもつ機械式駐車装置のうち、二輪自動車・被けん引自動車を除く自動車を駐車させる駐車室 |
| 根拠資料 | ― | 図面に製品の大臣認定番号(安全機能の認証だけを取得している場合は安全機能の認証番号)をキャプションで書くか、番号の載った製品カタログ等を添付 |
出典:東京都 第7回 新築建築物制度改正等に係る技術検討会 資料1(2026年3月4日)p4〜p6、東京都環境局「電気自動車充電設備整備基準ガイドライン(第2版)」第2部第1章・電気自動車充電設備整備計画書②の記入要領。
配管等を対象外にした理由について、都の資料は、機械式は機械を動かすためのケーブルなどが必要で、充電設備用の埋設の配管等を別に整備するのは実態にそぐわないと書いています。ガイドラインはあわせて、機械式に充電設備を設置する場合は十分に安全性を考慮するよう求めています。
大事なのは、機械式は「付けなければならない区画」にはなっていないことです。基準の量は平置きの区画数から決まり、その量を満たす場所として機械式も使えるようになった、という見直しです。機械式しかない建物には、今も基準はかかりません。
2026年4月の見直しは、機械式に付けた充電設備を基準の区画数に含められるようにしたものです。機械式の区画は、基準をかけるかどうかの判定と必要な区画数の計算に入らず、配管等の基準の対象外です。都の資料の表題は「義務基準の履行対象とする」で、ここでいう「履行」は、義務を満たす方法として認めるという意味です。
機械式といっても方式はさまざまで、充電設備の付けやすさが違います。ガイドラインは、公益社団法人立体駐車場工業会の資料をもとに、主な方式を次のように整理しています。
表3|機械式立体駐車施設の方式と充電設備
| 方式 | ガイドラインの説明 |
|---|---|
| エレベータ方式 | 高層のオフィスやマンションで主流。格納後はパレットが原則として動かず、充電できるものも出ているが、車の重量と寸法が課題 |
| 二段・多段方式 | マンションで主流。地下に収納するピット式もある。入庫のときに格納しているパレットも動く。パレットに充電設備を付けたものも出ているが、車の重量と寸法が課題 |
| 垂直循環方式 | 入庫に伴いパレットが循環する。パレットが常に動き、移動範囲も大きいため、充電設備との接続が難しいとされる。近年は採用が減っている |
| 水平循環方式・平面往復方式 | 充電設備を付けられるのが壁に面したパレットだけになる場合が多い |
| (図の下段の補足) | パレットではなくスライダーで車を動かすものもあり、全区画に充電設備を付けるのは難しい |
出典:東京都環境局「電気自動車充電設備整備基準ガイドライン(第2版)」図2.1-10(出典として公益社団法人立体駐車場工業会HPを示す)。表の要約は当社によるものです。図には多層循環方式も載っていますが、個別の説明はありません。
もう一つの課題が重量です。ガイドラインは、EVは一般にガソリン車より重く、2.5トンを軽く超えるEVもあるため、機械式に入庫するときに許容重量を超える場合があると注意しています。充電設備を付けるかどうかとは別に、EVを止められるかどうかを、装置の仕様で確かめておく必要があります。
ガイドラインには、平置きと機械式が混じった例が載っています。社員用・テナント用の平置き28区画(専用)、お客様用11区画(共用)、荷さばき2区画、機械式12区画(専用と仮定)の建物です。機械式12区画と荷さばき2区画は整備対象から外れ、専用駐車区画の整備対象は28区画(専用駐車区画の総数は40区画)として計算します。
表4|区画数の計算例
| ケース | 充電設備(実装) | 配管等 |
|---|---|---|
| ガイドラインの例:専用=平置き28+機械式12 | 28×20%=5.6 → 5区画 | 28×50%=14 → 14区画(うち充電設備の5区画を除く9区画に配管等) |
| ガイドラインの例:共用=平置き11 | 1区画 | 11×20%=2.2 → 2区画(充電設備の区画を含む) |
| 試算:共同住宅・専用=機械式50のみ | 平置きの専用駐車区画が0(5未満)なので基準はかからない。任意に充電設備を付けることはできる | |
| 試算:共同住宅・専用=平置き10+機械式40 | 10×20%=2区画。2026年4月からは、条件を満たす機械式に付けた充電設備もこの2区画に数えられる | 10×50%=5区画(充電設備の区画を含む数)。機械式は配管等の基準の対象外なので、配管等は平置きの区画で整備する。機械式に付けた充電設備の分を配管等の区画数から差し引けるかは、当社が確認した資料からは読み取れない |
上2行は東京都環境局「電気自動車充電設備整備基準ガイドライン(第2版)」第3部第2章の参考例(ガイドラインは専用の配管等を「28区画×50/100−5区画=9区画」と示しています)。下2行は当社の試算で、来客用など共用の区画がない場合です。機械式に付けた充電設備を実装に数えたときの配管等の区画の割り振りは、計画ごとに所管の窓口にご確認ください。
ガイドラインの記載例には、住宅用途の専用駐車区画で、機械式駐車施設に単相200Vの充電用コンセント(3kW)を4区画分整備する例も入っています。機械式への設置が、計画書の記入の上でも想定されていることがわかります。
英国(イングランド)の建築規則は、Part SでEV充電設備を定めています。2022年6月15日から適用されている解説書Approved Document S(2021年版、以下AD S)では、新築の住宅は駐車区画があれば、原則として住戸の数(区画のほうが少なければ区画の数)まで充電器を付けます。充電器は定格出力7kW以上で、原則としてケーブルの付いていない汎用の差込口の形です。新築の非住宅は、区画が10を超えると充電器1か所と、残りの区画の5分の1以上に配管等(cable routes)です。
ただし、屋根付き駐車場(covered car park)の区画には充電器の義務がかからず、建物の用途や区画数などに応じて決まった数の配管等を整備します(屋外の区画で必要な数を満たせる場合は、屋根付き駐車場に配管等が要らないこともあります)。AD Sは屋根付き駐車場を「屋根で覆われた駐車場」と定義し、住戸の居住者や来訪者だけが使う車庫・カーポートと、屋外の区画を覆うだけのカーポートを除いています。意見募集の本文によると、この例外は導入のときに、火災安全の研究をさらに進めるために設けたものです。
運輸省(DfT)と住宅・コミュニティ・地方自治省(MHCLG)は、Part Sの施行後評価の一環として、2026年10月21日〜12月16日に意見募集を行っています。
表5|英国の意見募集の主な論点
| 論点 | 意見募集に書かれていること |
|---|---|
| 屋根付き駐車場 | 新築と大規模改修の屋根付き駐車場(囲われた形・側面が開いた形の両方)にも充電器の設置を求めることを検討。理由として、所有者・管理者が設置をためらうこと、新築で例外にしたことが既存の駐車場への後付けの障壁にもなっていること、EVはエンジン車より火災が起きにくいとする研究、2023年の暫定の火災安全ガイダンス、一般のコンセントから延長コードで充電されがちなことを挙げる |
| £3,600の上限 | 新築の住宅では、充電器1か所あたりの平均の接続費(電力系統側の増強の費用。建物側の工事費・充電器本体・VATは含まない)が£3,600を超える場合、上限内で付けられる最大の数まで充電器を付け、上限がなければ充電器が必要だった残りの区画は配管等に置き換える。2021年以降の物価の変化を踏まえ、金額と、CPIで毎年引き上げることの是非を問う |
| そのほか | 負荷制御やPEN故障の保護などの最低基準、配線と電圧降下、「大規模改修」「配管等」の定義の明確化、V2X(V2X自体の義務化は時期尚早としつつ、将来の利用に備えた追加の電気設備と、その義務化の是非を問う)、ケーブル付きの充電器の容認など |
| あわせて聞くこと | 賃借人と長期借地権者(leaseholder)がEV充電を利用しやすくするための措置 |
出典:GOV.UK「Amending the building regulations: electric vehicle charging infrastructure」(2026年10月21日)と本文、Approved Document S(2021 edition)p3〜p8・p17〜p18・p26〜p27・p34(頁は紙面に印刷された番号)。研究の内容は意見募集の本文の記載によるもので、当社は研究の原文を検証していません。
今回出たのは意見募集で、政府は充電器の設置を求めることを「検討している(considering)」と書いています。政府は追加の研究を委託し、建築安全規制機関(Building Safety Regulator)など専門機関の助言も踏まえるとしています。2026年10月29日時点で、屋根付き駐車場は現行どおり充電器の義務の対象外です。
表6|建物内の駐車場の扱い:東京都と英国
| 項目 | 東京都 電気自動車充電設備整備基準 | 英国 Part S(イングランド・現行) |
|---|---|---|
| 外している区画 | 機械式立体駐車施設(技術上・安全上の理由)。自走式の屋内・地下の区画を外す規定は、当社が確認した資料には見当たらない | 屋根付き駐車場(地下・建物内なども含む)。機械式についての個別の記述はない |
| 外した区画の扱い | 区画数の計算に入れない。配管等も不要 | 充電器の代わりに、用途や区画数に応じて決まった数の配管等を整備する |
| 最近の動き | 2026年4月から、条件を満たす機械式に付けた充電設備を数えられるようにした(求めてはいない) | 屋根付き駐車場にも充電器を求めるかを意見募集中(〜2026年12月16日) |
| 量の決め方 | 平置きの専用区画が5以上なら20%(上限10)、共用区画が10以上なら1区画以上(表1) | 新築の住宅は住戸の数(区画が少なければ区画の数)まで、区画が10を超える新築の非住宅は1か所(第5節) |
| 量を抑える仕組み | 区画数の上限(10・25・10) | 新築の住宅は平均の接続費£3,600を超える分を配管等へ。大規模改修は、充電器と配管等の費用が改修費の7%を超えれば充電器を免除し配管等だけに(配管等だけでも7%を超えれば両方免除) |
出典:東京都側は第7回技術検討会 資料1 p4〜p6とガイドライン(第2版)第2部第1章・第3部第2章、英国側はApproved Document S(2021 edition)と意見募集の本文。比較の要約は当社によるものです。英国側の機械式の扱いは、AD Sに機械式についての個別の記述がないため、屋根付き駐車場の定義にあてはめた当社の読みです。
東京都が線を引いているのは機械式かどうかで、理由は車が動くことによる接続の問題です。英国が線を引いているのは、AD Sの定義する屋根付き駐車場にあたるかどうか(おおむね屋根の有無)で、理由は火災安全でした。理由が違うので、外れる範囲も違います。都内に多い自走式の地下駐車場は、東京都では平置きとして数えると読めますが、英国では充電器の義務から外れます。
向かっている方向は似ています。どちらも、建物の中の駐車場に充電設備を入れていく方向に動いています。英国の意見募集が挙げる「新築で例外にしたことが、後付けの障壁にもなった」という指摘は、都の技術検討会で委員が述べた「既存の機械式立体駐車場に後から充電設備を付けようとすると、合意形成や費用負担が問題になる。早めに計画を立てることが必要」という意見と重なります。
1. 区画は「平置きか機械式か」「専用か共用か」で分けて数える。基準の量は、機械式などを除いた区画の数で決まります。配置図に区画の番号を振り、除外する区画を明示しておくと、計画書の作成と審査が進めやすくなります。用途が決まっていない区画について、ガイドラインは安全側(専用駐車区画)に仮に決めておけば、あとで用途が変わっても設置義務に影響しないとしています。
2. 機械式に付けるなら、装置の安全性の根拠と許容重量をそろえる。機械式に付けた充電設備を基準の区画数に入れるには、大臣認定と同等の安全性が必要で、根拠資料に認定番号(または安全機能の認証番号)を示します。あわせて、EVを止められる許容重量かどうかを装置の仕様で確認しておくと安心です。
3. 基準の最低限と、将来の後付けのしやすさを分けて説明する。機械式しかない建物には基準がかかりませんが、それは「入居後にEVの充電を求められない」という意味ではありません。英国の意見募集も、都の技術検討会の委員の意見も、後付けの難しさを指摘しています。建築主には、基準を満たすための最低限と、将来の需要への備えを分けて示すのが誤解を生みません(当社の考えです)。
テトでは、東京都の建築物環境計画書の作成・手続きを日常的に扱っており、EV充電設備の整備計画書と根拠図の作成もお受けしています。「この駐車場の区画はどう数えるのか」といった段階のご相談もどうぞ(東京都 建築物環境計画書 代行/東京都の省エネ計算 代行)。
基準をかけるかどうかは、機械式などを除いた区画(整備対象区画)の数で決まります。専用駐車区画が5区画以上、または共用駐車区画が10区画以上のときに基準がかかるので、機械式の区画しかなければ基準はかかりません。ただし、計画書を提出する建物に駐車施設があれば、基準の対象にならない場合でも電気自動車充電設備整備計画書①の記入は必要で、機械式の区画数は「告示第3-1」の区画として記入します。
2026年4月1日からは、駐車場法施行令第15条の特殊の装置として国土交通大臣が認定したものと同等の安全性をもつ機械式に充電設備を付ければ、その区画を「整備する充電設備」の区画に含められます。根拠資料では、図面に製品の大臣認定番号(安全機能の認証だけを取得している場合はその認証番号)をキャプションで書くか、番号の載った製品カタログなどを添付します。
ありません。都の技術検討会の資料は、機械式は機械を動かすためのケーブルなどが必要で、充電設備用の埋設の配管等を別に整備するのは実態にそぐわないとして、配管等の基準の履行の対象外としています。配管等の区画数は、これまでどおり平置きの整備対象区画から求めます。
都のガイドラインは、エレベータ方式は格納後にパレットが原則として動かず充電できるものも出ているが車の重量と寸法が課題、二段・多段方式はパレットに充電設備を付けたものも出ているが同じく重量と寸法が課題、垂直循環方式はパレットが常に動くため接続が難しい、と整理しています。水平循環方式や平面往復方式は、付けられるのが壁に面したパレットだけになる場合が多いとしています。2.5トンを超えるEVもあり、装置の許容重量の確認も必要です。
現行の基準(Approved Document S)では、屋根付きの駐車場(covered car park)の区画は充電器の義務の対象外で、建物の用途や区画数などに応じて決まった数の配管等(cable routes)を整備します。2026年10月21日に始まった意見募集で、新築と大規模改修の屋根付き駐車場にも充電器を求めることが検討されていますが、受付は12月16日までで、改正するかどうかは決まっていません。
充電器を付けるために電力系統側で必要になる増強の費用(接続費)の上限です。建物側の工事費と充電器本体の費用は含まず、付加価値税(VAT)も除きます。新築の住宅では、充電器1か所あたりの平均の接続費が£3,600以下に収まる最大の数まで充電器を付け、上限がなければ充電器が必要だった残りの区画には配管等を整備します。今回の意見募集は、2021年以降の物価の上昇を踏まえてこの金額を見直すかどうかも問うています。
EV充電設備の整備計画書・根拠図を含めた手続き。
LCCO2算定の義務化と省エネ性能基準の強化。
改正案のUA値0.8・BEI0.85と意見募集。
要求事項L3と、東京都の再エネ設置基準との違い。
CHMMの比率案と、日本の給湯器の新制度。
EU・英国・米国・アジアの制度とCASBEE。
Sources — 出典・参考資料
東京都環境局「建築物環境計画書制度(大規模建物)の拡充について(電気自動車充電設備整備基準)」(第7回 東京都新築建築物制度改正等に係る技術検討会 資料1、2026年3月4日)/技術検討会のページ
東京都環境局「東京都建築物環境計画書制度に基づく 電気自動車充電設備整備基準ガイドライン(第2版)」(令和8年4月)
東京都環境局「パブリックコメントの結果等を踏まえた最終案 第3 建築物環境計画書制度に関する改正事項」
GOV.UK(Department for Transport/Ministry of Housing, Communities and Local Government)「Amending the building regulations: electric vehicle charging infrastructure」(意見募集・2026年10月21日〜12月16日)/本文
GOV.UK「Approved Document S: Infrastructure for the charging of electric vehicles」(2021 edition、2022年6月15日施行。PDF 全47頁)/掲載ページ
※ 表1〜表6の要約、表4の試算、第2節・第6節の読み、第7節の整理は当社によるものです。東京都の基準の適用は、個別の計画ごとに所管の窓口にご確認ください。英国の改正は意見募集の段階で、内容と時期は決まっていません。