それでも、手で考える——鉛筆とトレーシングペーパーと建築方眼だけの、建築エスキス専用スケッチブックをApp Storeで公開しました。無料です。
CADもBIMもAIもある時代です。図面はコンピュータが引いてくれるし、パースは一晩で何案でも出てきます。それでも——案そのものは、まだ手からしか生まれない。紙の上で迷って、消して、また引く。トレペを重ねて前の案をなぞる。その行ったり来たりの時間が案を育てることを、設計する人なら知っているはずです。
「エスキス」は、そのCADの前の「考える時間」のためだけに作ったiPadアプリです。あるのは鉛筆とトレーシングペーパーと建築方眼だけ。便利な機能を足すことより、鉛筆が鉛筆らしくあることに時間をかけました。アナログで考えたい人のための道具です。
ワンタップで黄色いトレーシングペーパーが1枚。実物と同じで、少し斜めに落ちてきます。重ねて、透かして、朱書きで検討。エスキスの中心はこれです。
910モジュール(3尺)の方眼は1間ごとに濃い線。縮尺は1/50・1/100・1/200、海外モジュール(US 16″/24″・EU 600/300)にも対応。原寸表示にすれば画面に本物の定規もあたります。
筆圧で濃淡、傾ければ芯の側面でこすれる。紙の目、カリカリという筆記音まで再現しました。アルコールマーカーは重ねたところだけ、すっと沈む。色相×トーンのライブラリから手癖のままに。
ケント紙・画用紙・クラフト・黒。紙を変えると鉛筆の乗りも変わります。黒い紙に白い鉛筆のスタディは、夜の設計時間によく合います。
図面レビューの「Sumipa」に続く、建築実務のための自社アプリ第2弾です。評価業務で日々図面と向き合う中で生まれた「こんな道具がほしい」を、これからも形にしていきます。ご意見・ご要望は info@te-to.co.jp までお寄せください。